※本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。
冬のドライブ旅行やスキー、年末年始の帰省で雪の多い地域へ車で向かうとき、「もし大雪で動けなくなったらどうしよう」と心配になりますよね。ニュースで高速道路に車が何kmも並んでいる映像を見ると、ひとごととは思えません。
この記事では、JAF(日本自動車連盟)のテスト結果や、国土交通省、NEXCO東日本、政府広報オンラインが呼びかけている内容をもとに、雪道で立ち往生したときの過ごし方と、出発前に車へ積んでおきたい備えをまとめました。予報の見方から、車内での一酸化炭素中毒の防ぎ方、救援の呼び方、タイヤが空転したときの脱出方法まで順番にお話しします。2026年10月時点の情報です。
雪道の立ち往生はどんなときに起きる?
まずは、大雪による立ち往生がどのくらい長引くことがあるのか、そして出発前にどんな情報を見ておけば巻き込まれにくくなるのかを知っておきましょう。備えの量を決めるうえでも、ここが出発点になります。
数日を車内で過ごした例もある大雪の立ち往生
大雪による立ち往生は、数時間で解消するとは限りません。JAF Mate Onlineの記事によると、2014年2月に関東甲信地方を中心に記録的な大雪が降ったときは、東名高速道路で最長40kmの渋滞が発生しました。動けなくなった車が増えたことで、除雪車が隊列を組んで進む除雪作業も進められなくなり、高速道路は広い範囲で通行止めになったそうです。
その結果、東名高速の上り線の清水IC〜大井松田IC間では最大45時間、中央道の下り線の大月IC〜八王子IC間では最大73時間にわたって立ち往生が続きました。救出にも、東名高速で約24時間、中央道で約27時間かかったとされています。2020年12月には関越道で数千台規模の車が長時間動けなくなり、場所によっては数日を車内で過ごすことになった人もいたといいます。
なぜ、ここまで大きな滞留になるのでしょうか。国土交通省の大雪時の道路交通確保対策 中間とりまとめでは、スリップ事故や大型車の立ち往生が、大規模な車両滞留のきっかけになるケースが多いと指摘しています。冬用タイヤを付けていてもチェーンを付けていない大型車が動けなくなり、それが長い列の原因になる場合が多いことにもふれています。
つまり、自分の車がしっかり冬用の装備をしていても、前の車が止まれば一緒に動けなくなるわけです。普段はあまり雪が降らない地域から出かける人ほど、「ちゃんとスタッドレスタイヤを履いているから大丈夫」と考えがちかもしれません。タイヤの準備についてはスタッドレスタイヤの交換時期の記事でまとめていますが、タイヤとは別に、長時間車内で待つための備えが必要になると考えておくと安心です。
JAF Mate Onlineでは、近年は冬にも極端な気象現象が増えていて、短い時間で記録的な大雪が降る可能性もあるとして、遠方へ車で出かけるときには十分注意するよう呼びかけています。旅行の行程に余裕を持たせておくことも、立ち往生への備えのひとつといえるでしょう。
また、国土交通省の中間とりまとめでは、短期間に集中的な大雪が降る場合には、チェーン規制によらずためらわずに通行止めを行うべきだとしています。立ち往生が起きたときは、その手前で本線を通行止めにしたり、インターチェンジの入口を閉じたりする対応も示されています。予定していた道が急に使えなくなり、遠回りを迫られることもあると知っておきたいですね。
出かける前に雪の予報と通行止めを見ておく
立ち往生に巻き込まれないためにいちばん効くのは、そもそも大雪の中を走らないことです。政府広報オンラインは、大雪や猛吹雪が予想されるときは、なによりもまず運転を避けるように呼びかけています。
出発前に役立つのが、気象庁のホームページにある「今後の雪」です。24時間前から現在までの積雪の深さと降雪量、そして6時間先までの予報を、5km四方の分布で地図上に表示してくれます。情報は1時間ごとに更新され、地図を拡大すると道路や鉄道も重ねて見られるので、目的地までのルートのどこで雪が強くなりそうかをつかみやすいですよ。
また、山形県や新潟県、富山県、鳥取県など日本海側を中心とした地域では、短時間に顕著な降雪が観測され、その後も強い降雪が続くと見込まれる場合に「顕著な大雪に関する気象情報」が発表されます。政府広報オンラインでは、大規模な交通障害のおそれが高まっているときはできるだけ外出を控え、やむを得ず出かけるときは最新の情報を確かめて、時間に余裕を持って行動するよう勧めています。
高速道路を使う予定なら、道路会社の情報も見ておきましょう。NEXCO東日本のお知らせでは、大雪が見込まれるときに「予防的通行止め」を行う可能性がある区間を事前に発表しています。あわせて、高速道路と並行する一般国道も通行止めになり、広い範囲で迂回が必要になる可能性があるとして、ルートや日程の見直しを検討するよう呼びかける内容です。
通行止めや渋滞の状況は、ドライブトラフィック(ドラとら)などのウェブサイトや、NEXCO東日本の公式アプリ「ドラぷら」、地域ごとの公式Xや公式LINEで見られます。旅行の前日だけでなく、出発する朝にももう一度見ておくと、思いきって日程をずらす判断もしやすくなりますね。
雪があまり降らない地方のドライバーができる対策として、天気予報をよく見ておくこと、ガソリンはぎりぎりまで粘らず余裕を持って入れること、雪が降ってきたらすぐに高速道路を降りることを挙げている人もいます(Xの投稿)。NEXCO東日本は、ノーマルタイヤで積雪や凍結した道路を走るのは法令違反になるとも注意しています。
数日先の見通しも参考になるでしょう。政府広報オンラインによると、冬型の気圧配置で日本海側に数日間雪が降り続きそうなときなど、精度よく予測できる場合は、3日先までの降雪量の予測が地元の気象情報で発表されます。
立ち往生に備えて車に積んでおきたいもの
ここからは、車に積んでおきたい備えを2つに分けて見ていきます。動けなくなったときに使う道具と、救援を待つあいだ車内で過ごすための用品です。
スコップやけん引ロープなど脱出に使う道具
国土交通省の長岡国道事務所のページでは、雪道を走るときに「これだけは揃えておきましょう」として、チェーン、ブースターケーブル、けん引ロープ、ジャッキ、長靴、防寒着、アイスクレーパー、シャベル・スコップを挙げています。スタッドレスタイヤを付けていても、チェーンを持っていれば安心だとしています。
それぞれの役割も見ておきましょう。雪道ではバッテリーが上がりやすくなるため、ブースターケーブルがあると、ほかの車から電気を分けてもらってエンジンをかけ直せます。けん引ロープは、自分の車が動けなくなったときにも、動けなくなった車を見つけたときにも役立ちます。ジャッキはタイヤ交換やチェーンを付けるときに必要になる道具です。スコップには折りたたみ式もあるので、トランクに入れたままでも場所をとらないそうです。
三重河川国道事務所のページでも、スタッドレスタイヤを付けていても万が一に備えてチェーンとジャッキを準備し、スタック(立ち往生)したときのためにけん引ロープも積んでおくと心強いとしています。冬場はワイパーやエアコンを続けて使うのでバッテリーの消耗が激しくなりがちだという点も、ブースターケーブルを勧める理由のひとつです。
あると安心なものとしては、暗い場所でチェーンを付けるときの懐中電灯、チェーンを付けるときや屋根の雪かきに使う軍手やゴム手袋、ガラスの霜取りスプレー、かぎ穴の解氷スプレーなどがあります。政府広報オンラインでは、雪道の運転は冬山の登山と同じようなものだとして、滑り止め用の砂や除雪ブラシ、スノーヘルパー(タイヤの下に敷く脱出用の板)も装備品として挙げています。
レンタカーで雪国を旅行する場合は、スコップやけん引ロープが車に積まれていないことも多いので、借りるときに何が載っているかを聞いておくとよいでしょう。三重河川国道事務所のページでは、冬用の装備をしていない人には、レンタカーやタクシーを使う選択肢もあるとしています。
チェーンは、付ける場所にも気をつけたいところです。NEXCO東日本は、本線上でチェーンを付けるのはとても危険なので、最寄りのSA・PAかチェーン着脱場で早めに付けるよう呼びかけています。
毛布や携帯トイレなど車内で待つための備え
もうひとつの備えは、救援を待つあいだに車内で体を守るための用品です。JAF Mate Onlineでは、立ち往生に備えて積んでおきたい用品の例として、厚手の毛布、防寒着、手袋、寝袋、カイロといった防寒用品、少し多めの食料と水(または温かい飲み物)、そして携帯トイレ、スコップ、懐中電灯、携帯電話の充電器を挙げています。
食料と水は、出発前にコンビニなどで手軽に食べられるものを、少し多めに2〜3食分ほど買っておくと安心とされています。情報を集めたり家族と連絡をとったりでスマートフォンを使う時間が増えるので、モバイルバッテリーや車内で充電するケーブルも忘れずに用意しておきたいですね。
なかでも、必ず用意しておきたいとされているのが携帯トイレです。排せつは我慢するのが難しく、無理をすると深刻な体調不良につながることもあります。JAF Mate Onlineによると、内閣府(防災担当)が示す目安は1人あたり1日5個だそうですよ。立ち往生が24時間以上続く可能性もあるので、余裕を持って用意しておくと安心です。
携帯トイレの目安 = 1人1日5個 × 人数 × 日数
例)大人2人で2日分なら 5 × 2 × 2 = 20個
置き場所は、コンソールボックスや助手席の下など、すぐ手が届くところが望ましいそうです。車内で使うことを考えて、ブランケットやカーテンなどの目隠しもあわせて準備しておくと落ち着いて使えますね。
毛布には、体を温める以外の使い道もあります。長岡国道事務所のページでは、毛布は車内での防寒具になるだけでなく、雪道で動けなくなったときにタイヤと雪の間に挟むものとしても使えると紹介しています。
燃料についても考えておきましょう。JAF Mate Onlineでは、立ち往生中は燃料をなるべく節約するため、エンジンを適宜止めながら暖をとるように勧めています。雪の予報が出ている地域へ向かうときは、早めに給油しておくと、いざというときに慌てずにすみますよ。
雪による立ち往生が怖いので、3時間以上走るときは必ず2食分を買い込むようにしているという声があります(Xの投稿)。一方で、毛布や枕、非常食をそろえた車中泊セットを常備していても、携帯トイレだけはないと書いている人もいます(Xの投稿)。いちど車の中を見直して、抜けているものがないか確かめておくとよいでしょう。
立ち往生したら車内でどう過ごす?
実際に動けなくなってしまったら、車内で何に気をつければよいのでしょうか。いちばん大切なのは、一酸化炭素中毒を防ぐことです。そのうえで、寒さと長時間同じ姿勢でいることへの対策を考えます。
エンジンを切るのが基本、マフラー周りの除雪を
雪で動けなくなったとき、暖房のためにエンジンをかけたままにしたくなりますよね。ところが、ここに大きな危険があります。JAFのユーザーテストでは、2015年2月に北海道旭川市で、雪に埋まった車の中の一酸化炭素(CO)濃度を測っています。
テストでは同じ車を2台用意し、ボンネットの上まで雪をかぶせてエンジンをかけ、エアコンは外気導入にしました。何も対策をしなかった車では、16分後にCO濃度が400ppmまで上がり、その6分後には測定上限の1,000ppmに達しました。JAFのクルマ何でも質問箱によると、この数値は「3時間ほどで致死」とされる非常に危険な状態です。
一方で、マフラーの周りを除雪した車では、最後までCOはほとんど検知されませんでした。マフラーの出口がふさがれると、排気ガスが車の床下にたまり、外気の取り入れ口や車体の隙間から車内に吸い込まれてしまうのです。発煙筒を使ったテストでも、床下にたまった排気ガスが車内に入っていく様子が見られました。
一酸化炭素は無色・無臭・無刺激の気体なので、発生していても気づきにくいのが怖いところです。吸い込むと血液が酸素を運ぶ力が妨げられ、軽い頭痛や疲れから始まり、激しい頭痛やめまい、吐き気へと進んでいきます。重くなると意識障害やけいれんが起き、最終的には命にかかわる危険なガスなのです。
そのためJAFは、降雪時に車内にとどまるときは、できるだけエンジンを切るように勧めています。JAF Mate Onlineでも、原則としてエンジンは切っておき、暖をとるためにかけるときは、マフラー周りの雪をこまめに取り除き、換気を十分に行いながら断続的にかけるように呼びかけています。車が完全に雪に埋まってしまったら、必ずエンジンを切ってください。雪には断熱作用があるので、エンジンを切っても車内の温度はそれほど下がらないそうです。
JAFは、防寒着などの用意がなく、暖房のためにエンジンをかけざるを得ない場合には、頻繁にマフラー周りを除雪するよう呼びかけています。マフラー以外の排気管に亀裂があると、そこから排気ガスが漏れる危険もあるとしています。長時間エンジンをかけっぱなしにするほど一酸化炭素中毒のリスクは高まるので、毛布や防寒着を積んでおくことが、エンジンを切って過ごすための前提になるわけです。
窓を少し開けるだけでは足りない理由
「窓を少し開けておけば換気になるから大丈夫」と思うかもしれません。JAFの2015年のテストでは、マフラー周りを除雪せずに、運転席の窓を5cmほど開けた場合も測っています。その結果、開始から5分でCO濃度は100ppm台に上がり、しばらく上がったり下がったりを繰り返したあと、約40分後に400ppmに達し、その後すぐに800ppm台になりました。
JAFのクルマ何でも質問箱では、窓を開けた場合は初めはあまり上がらず、風が止むと「2時間で失神」するほどの危険なレベルまで上がったと説明しています。窓を開けることはまったく意味がないわけではありませんが、天候や風向きで結果が変わるので、それだけに頼るのは危ないということですね。
エアコンの設定を変えれば防げるわけでもありません。JAFが2021年2月に山形県で行った大雪による立ち往生のテストでは、ガソリン車のエアダクトとマフラーの周りを雪で埋め、エアコンを内気循環にして60分間測りました。それでもCO濃度は1分24秒で警報値の50ppmに達し、18〜50分のあいだは測定上限の300ppmを記録しています。酸素濃度も13分14秒で安全限界とされる18%に下がり、35分後には13.2%まで下がりました。
同じテストでは電気自動車も比べています。電気自動車は排気ガスが出ないので一酸化炭素中毒の心配はなく、乗っていた人の呼気による二酸化炭素濃度も、人体に影響があるとされる0.1%を超えませんでした。ただしJAFは、車の周りが雪で埋もれるとドアが開かなくなったり、道路が通れるようになってもすぐに車を動かせなかったりするとして、電気自動車でもこまめな除雪は欠かせないとまとめています。
除雪に出るときは、車道側に出ないことも大切です。国土交通省北陸技術事務所のおしえて!雪ナビでは、後続車が走ってくる場合があるので、車道側には絶対に出ないよう注意しています。マフラーの周りの雪は、なるべく路肩側から安全を確かめつつ取り除くようにしましょう。JAFは、車の周りの状況や風向き、エアコンの設定などで結果は変わるため、テストで安全だった条件でも危険になる場合があるとしています。
寒さとエコノミークラス症候群への対策
エンジンを切るとなると、気になるのが寒さです。JAF Mate Onlineでは、毛布や予備の衣服を積んでいる場合は重ね着をして、体温が下がらないようにするよう勧めています。毛布や衣服がなくても、タオルやマスク、新聞紙など車内にあるものを使うとよいそうです。タオルはマフラーのように首に巻くと、体の冷えを防げるそうですよ。寝袋や使い捨てのカイロもあると重宝するとされていて、ふだんから仮眠用に毛布を積んでおくと、いざというときに役立ちます。
おしえて!雪ナビでも、服がぬれている場合は着替え、毛布があれば羽織り、温かい飲み物をとるなどの防寒対策をとるように呼びかけています。車内の暖房は、燃料切れやバッテリー上がりに注意しながら使うことになるでしょう。暖房を使うときは、マフラー付近が埋まらないように定期的に除雪し、窓を少し開けて換気するよう雪ナビは勧めています。水や軽食があるなら、こまめに水分をとってエネルギーを保つことも大切です。
もうひとつ気をつけたいのが、長時間同じ姿勢でいることです。JAF Mate Onlineによると、狭い車内でじっとしていると血栓ができ、エコノミークラス症候群になるおそれがあります。足首や手首を回す、かかとを上げ下げする、ひざを曲げ伸ばしするといった簡単なストレッチでも、血の流れはかなりよくなるとされています。ときどき姿勢を変えながら、こまめに水分をとるよう意識してみてください。
トイレを我慢しようとして水分を控えると、体にはよくありません。携帯トイレを用意しておくことは、安心して水分をとることにもつながるのですね。
夜を車内で過ごすことになったら、休み方にも工夫が必要です。雪ナビでは、夜間に同乗者がいる場合は交代で眠り、1人は必ず起きていて、救助が来ていないかを確かめるように勧めています。起きている人は、マフラーの周りに雪が積もっていないか、車が雪に埋もれていないかにも気を配っておけるので安心です。
1人で運転しているときは、眠っているあいだにエンジンをかけっぱなしにしないことがとくに大切です。家族や友人と連絡をとって状況を伝えておき、定期的に連絡を入れるようにしておくと、何かあったときに気づいてもらいやすくなりますね。
助けを呼ぶときと自力で抜け出すときは?
最後に、救援を呼ぶときの連絡先と伝え方、そしてタイヤが雪にはまって空転したときに自力で抜け出す方法を見ていきます。
#9910や110番に位置を伝えて助けを求める
雪で車が進まなくなったら、まずは落ち着いて状況を確かめましょう。JAF Mate Onlineでは、AMやFMのラジオ、NEXCOの公式アプリ、カーナビなどの交通情報で、周りの降雪や立ち往生の範囲を確かめ、無理に車を動かさずに自力で抜け出せるかを判断するよう勧めています。高速道路では、AMラジオ1620kHzの「ハイウェイラジオ」で交通情報が5分ごとに更新されて流れています。
自力で抜け出すのが難しいときや、体調が悪いときは、ためらわずに救助を求めましょう。携帯電話から連絡する場合は、道路緊急ダイヤル「#9910」か110番です。NEXCO東日本のお知らせによると、#9910は全国共通で24時間受け付けていて、通話料は無料です。高速道路には1kmごとに非常電話も置かれています。
連絡するときに大切なのが、自分のいる場所を正しく伝えることです。JAF Mate Onlineでは、キロポストの数字や目立つ目印を伝えるよう勧めています。雪ナビによると、国道でも道路わきに1kmごとに地点標(キロポスト)が立っていて、国道番号と位置が示されています。また、ハザードランプをつけ、停止表示板や旗を掲げて、止まっていることがほかの車にわかるようにしておくことも大切です。
助けを待つあいだは、車から離れないのが原則です。雪ナビでは、避難できる場所や救助してくれる人を確実に確かめられるとき以外は、不用意に車を離れてはいけないとしています。吹雪の中で自分の位置を見失い、遭難するおそれがあるからです。JAF Mate Onlineでも、いつ立ち往生が解消して車が動き出すかわからないことに加え、雪の積もった本線を歩くのは危険なので、運転者は車内にとどまることが原則だと説明しています。
過去の立ち往生では、NEXCO中日本が食料や飲み物、カイロ、簡易トイレ、ガソリンなどの燃料を配ったり、レッカー車やトラクターショベル、人の手による除雪を行ったりしたそうです。体調不良など緊急の事情があるときは、巡回しているNEXCOの職員に申し出るか、#9910に連絡すれば状況に応じて対応してもらえます。迷わずに連絡してくださいね。NEXCO中日本は、降雪が予測されている場合には、降雪エリアを避けた広い迂回や出発時間の変更、外出を控えるといった対応が大切だとも呼びかけています。
タイヤが空転したときに自力で抜け出す方法
渋滞の中ではなく、駐車場から出るときや坂道で、タイヤが雪にはまって空転してしまうこともあります。視界が真っ白になる地吹雪などのホワイトアウトでは、無理に進まずハザードランプをつけて止まるよう、JAFは勧めています。そのうえで試せる脱出の方法を、雪ナビがまとめているので見ていきましょう。
まずは、ゆっくりと振り子のように小刻みに前進とバックを繰り返し、雪を踏み固めながら発進してみます。ここでアクセルを強く踏むと、タイヤが空転してくぼみが深くなってしまうので注意しましょう。同乗者やまわりの人に車を押してもらうのもひとつの方法です。JAFの雪道・アイスバーンでの運転の注意点でも、新雪にはまったときはゆっくり車を前後に動かして、タイヤの周りの雪を踏み固めるようにと説明しています。
それでも抜け出せないときは、タイヤの下に何かを挟んでみてください。チェーンや、樹脂製・金属製の緊急脱出用ヘルパー、布などを敷いて、ゆっくりアクセルを踏みます。足元に敷いてあるフロアマットでも効果があるそうです。タイヤが空転して滑るときは、駆動輪の下に砂をまくと摩擦が増えて発進しやすくなり、融雪剤でも代わりになるとされています。道路脇に砂箱があれば、駆動輪の外周に砂を振りかけるのもよいとJAFは説明しています。
まわりに協力してくれる車がいれば、けん引ロープで引っ張ってもらう方法もあるでしょう。バッテリーが上がってしまったときは、ブースターケーブルの出番です。雪ナビでは、両方の車のエンジンを切り、故障車のライトやエアコン、オーディオなどを切ってから、次の順番でつなぐよう示しています。
- 故障車のバッテリーのプラス側に赤いクリップをつなぐ
- 救援車のバッテリーのプラス側にもう一方の赤いクリップをつなぐ
- 救援車のバッテリーのマイナス側に黒いクリップをつなぐ
- もう一方の黒いクリップを故障車の金属部分(バッテリーから遠い方)につなぐ
そのあと救援車のエンジンを2,000〜3,000回転に保って充電し、故障車のエンジンをかけて、つないだときと逆の順番で外します。つなぎ方を間違えると危険なので、自信がないときは無理をせずロードサービスを呼んだ方が安心です。
雪道の立ち往生に備えるためのまとめ
最後に、雪道で立ち往生したときに備えて押さえておきたい5つのポイントをまとめます。
- 立ち往生は数十時間から数日続くこともあるので、出発前に気象庁の「今後の雪」や道路会社の通行止め情報を見て、大雪の予報なら日程やルートを見直す
- スコップやけん引ロープ、ブースターケーブル、チェーンなど、動けなくなったときに使う道具を車に積んでおく
- 毛布や防寒着、2〜3食分の食料と水、充電器、1人1日5個を目安にした携帯トイレを用意し、早めに給油しておく
- 動けなくなったらできるだけエンジンを切り、かけるときはマフラー周りをこまめに除雪する(窓を少し開けるだけでは防げない)
- 救援は#9910や110番にキロポストなどで位置を伝えて求め、原則として車から離れずに待つ
雪国への旅は、白い景色や温泉など冬ならではの楽しみがいっぱいです。備えをひとつずつ車に積んで、安心して出かけてくださいね。